消費者庁がレーシック手術の安全性を国民に向けて・・・

消費者庁がレーシック手術の安全性を国民に向けて注意 喚起する記者発表を行いました。

http://www.caa.go.jp/

http://www.caa.go.jp/safety/pdf/131204kouhyou_1.pdf

http://www.gankaikai.or.jp/important/

 

このニュース報道があったのでさっそく消費者庁のホームページを見てみました。

手術の仕組みや術後の合併症等について詳しく書いてありました。

適応検査に来た方にはこれを読んでもらっても良いかもしれないと感じるほどレーシックに必要なことはだいたい記載されています。

 

過去5年間で80件の危害情報と7件の重大事故があったと。。。

内容はドライアイと過矯正のような雰囲気です。

適切なドライアイの治療を受けたり、過矯正であれば適正な度数になるように追加矯正を行えば良いのではないかと思いました。

 

いろいろと定期的に問題を提起されるレーシックをはじめとする近視矯正手術ですが、メガネ・コンタクトレンズに変わる矯正方法ですので利便性は高く、この手術を受けたことで喜んでいる人もたくさんいらっしゃいます。

世の中にはレーシック以外の矯正方法・手術方法もあります。

適切に安全な方法を選んで快適な視力で過ごして頂けたらと思います。

 

 

ラゼック術後の角膜混濁

ラゼック等のフラップ作製を行わない手術方法を表面照射と言います。

フラップ作製を行わないので格闘技を行う人や角膜の厚さが薄い人に向いている術式です。

ラゼックの難点は術後の短期的な痛み、視力回復に時間がかかるということがありますがこれは数日~10日程度で改善します。

その後は3~6ヶ月間程度は点眼薬の継続と紫外線予防をしていただく必要があります。

術後に3~6ヶ月間の経過を診ていると、まれにヘイズという角膜表面に混濁が生じることがあります。

ラゼックで手術を受けられた方のほとんどは何の問題なく視力回復していますし、仮にヘイズが発生してもほとんどの方は投薬を増やすことで治療が出来ます。

ラゼック術後にステロイド点眼を忘れずに使っていただければ、強いヘイズが出ることはほとんどありません。

写真のようなヘイズが発生しても一定期間の点眼薬の使用、または再度レーザー照射を行うことでヘイズの治療が出来ます。

 

高度近視・乱視のICL手術

高度近視と乱視の方にICL手術を行いました。

もともと角膜が薄いのでレーシック・ラゼックでの矯正は出来ません。

近視乱視の度数の合ったカスタムレンズをオーダーして、レンズが届いたので両眼に手術を行いました。

手術翌日から視力は良好です。

レーシック・ラゼックに比べると内眼手術で費用もかかるので敬遠される方もいらっしゃいますが、こういう結果をみるとやっぱり良い手術だと思います。

 

多焦点眼内レンズの勉強会

この多焦点眼内レンズは厚生省に認可・承認されていませんが、日本国内で導入している眼科クリニックはたくさんあります。

このレンズの勉強会で使用経験が豊富な先生のお話を聞いてきました。

今までの多焦点眼内レンズとは異なるコンセプトで、遠近両用レンズなのに遠くも近くも見えにくい・・・といった症状が起こりにくい眼内レンズです。

とはいってもこのレンズでもそのような症状を感じる方もいるそうで、その対応方法等を聞かせてもらえました。

カスタムオーダーの眼内レンズですが多少は度数誤差が生じるようです。術後のレーシックでの追加矯正が必要な症例もあるとのことでした。

ICL 3ヶ月検診

ICL術後3ヶ月検診です。

手術前のデータです。両目の高度近視と乱視があります。

術後1週間のデータです。裸眼視力は向上していますが、術後早期のため角膜乱視が手術前よりも増えています。

術後3ヶ月のデータです。視力は1週間検診時と同等ですが角膜乱視は手術前の状態に近づいています。眼内レンズに特有の夜間のグレア・ハローは気にならなくなったそうで、 術後結果に満足していただいています。

 

ICLはレーシック・ラゼックと同等の安全性で角膜を削らずに裸眼視力を向上させる方法です。

高度近視でレーシック・ラゼックをあきらめた方には福音と言えると思います。

 

RKの術後

RK=Radial Keratotomy 放射状角膜切開術というレーシックよりも古い近視矯正手術で、角膜をダイアモンドメスで切開して角膜のカーブを変えて視力矯正する方法です。

20年前にRKを受けて見づらいといわれる方が来院されました。

屈折の状態は悪くありません。RK術後は視力の日内変動 という1日のなかで視力が変動する状態が起こることがあります。この方もそれは自覚されていました。

このような収差という光のゆがみを計測すると、収差(不正成分)の増加が著明でした。この収差が夜間のにじみや乱視っぽく見える原因となります。レーシックと比べるとRKの手術精度では収差の増大は大きい傾向にあります。

屈折度数は悪くないですし、この収差を完全に取りきることは難しく確実に改善すると言えないので特に手術はしないことにしました。

 

レーシックでもそうですが角膜のカーブを変化させると収差が増えます。 カーブの変化量が大きいと収差は増える傾向にあります。

高度近視だとレーシックやラゼックで手術を行うとたくさん角膜を削ることになります。角膜のカーブの変化は大きくなり収差が増えます。そう考えると角膜を削らない眼内レンズで矯正するICLと言う方法は合理的に思えます。

ICLの術後経過

高度近視の方をICLで矯正しました。

術前の裸眼視力は両目0.02です。-10D程度の近視があります。

この度数をICLで矯正しました。 

手術翌日のデータですが裸眼視力は1.5まで改善しています。

ICLは角膜を切開して目の中にレンズを固定します。レンズが固定されるまではもう少し度数は変動します。

角膜を切開しているため術後しばらくは角膜の乱視が気になりますが、約1~2ヶ月程度でだんだんと気にならなくなります。

 

レーシックの後遺症の記事

先日のニュースでレーシックの術後に関することが載っていました。

レーシック術後に何らかの症状で困っている50名の方が術後の後遺症の実態調査を厚生労働省に依頼したそうです。

安全と考えられている手術で後遺障害が一定の割合で存在するのであれば問題です。

さて厚生労働省はどうやって実態調査するのでしょう?

日本では100万人~120万人くらいレーシック手術を受けていると言われています。

レーシックを行っている全ての施設を調査するのか、レーシックを受けた全ての人を調査するのか。

以前のレーシックの感染症問題のときは素早い対応でしたが今回はどうなることでしょう。

サッカー選手

ネットではレーシック術後で有名なあのサッカー選手。術後経過は良好みたいです。

来年はブラジルでワールドカップが開催されます。

さらなる活躍を期待しています。

レーシックとICL

学会のセミナーでも議題になるICL。

視力矯正効果だけではなく、見え方のクオリティ、長期安全性などがレーシックと比較してどうなのかということが議論されています

議論はいろいろありますが・・・。

私の個人的な考えとしましては、角膜の厚さ、形が問題なく近視度数がそれほど強くない方は従来とおりレーシックでも良いと思います。フラップトラブルが心配な方はラゼックで良いと思います。

角膜の厚さがレーシック・ラゼックの安全基準をクリアしていても、ある程度の近視度数になると角膜を削る量が増えることで術後の見え方のクオリティが悪くなる傾向があります。

検査機械で計測した結果、その見え方のクオリティが下がったとしても、術後の患者様はそれを全く気にしない方が多いですが、なかには非常に気にされる方がいらっしゃいます。

患者様がそれを気にしなくても測定データ上は見え方のクオリティは低下しているので、高度近視の術前の方にはその旨をお話しするようにしています。

当院のレーシック・ラゼックの費用は両目で20万円です。

当院のICLの費用は両目で45万円です。

手術費用のこともあるのでICLを強くすすめることはしていませんが、術後の見え方のクオリティをどのように考えてどの術式を選択するかは患者様と相談して決めています。