高度近視の対応

 

 

 

 

 

 

 

 

症例数が増えてくると高度近視の症例も増えてきます。

ある程度の近視度数であればラゼックで対応しています。しかし-13Dとか-14Dを超えてくると、残存する角膜の厚さのことや切除量からの視機能の低下を考えると、角膜を削る矯正の限界があります。

フェイキックIOLは人工レンズを眼内にインプラントする方法です。角膜を削らずに矯正できるので術後の視機能の低下が少ないのが利点です。

そろそろフェイキックIOLの準備を考えたほうが良さそうです。

1年経ちました

昨年の4月に開院して1年経ちました。

かわもと眼科の初年後は250人の方にレーシックやラゼックを受けていただきました。

当院のスタッフも10人くらいレーシックを受けたと思います。

 

今年度もレーシックという手術を身近に感じて頂けるように頑張りたいと思います。

クロスリンキング

角膜強化法と呼ばれているこの方法。。。

正式にはCorneal Collagen Cross-Linking と呼ばれる方法です。

角膜の形状変化を防ぐことを目的に、角膜上に紫外線を照射しながらリボフラビン(ビタミンB2)を滴下することで、角膜のコラーゲン線維を強化します。

従来のクロスリンキングは20~30分程度の時間をかけて行っていましたが、最近の機器は非常に短時間・・・約10分程度で終わります。

この術式は角膜の線維を強化する目的は良いのですが、術中にそれなりの線量の紫外線を眼球に照射します。そのためこの方法はもともとは円錐角膜や屈折矯正術後の角膜拡張症の進行予防を目的に行われていました。

最近では通常のレーシック手術に併施している施設もあります。

紫外線を原因とする眼疾病もありますし、そもそも紫外線は人体にはあまり有益なものではありませんので・・・円錐角膜等で施術目的が明確であればそれなりの紫外線の照射も仕方ないとは思います。

しかし、これまでの経験的にまず問題なくレーシック手術が可能な症例であるにもかかわらず、プラスアルファの費用で紫外線を照射しているとするならば・・・それは医療行為の倫理観として問題があるのではないかと考えています。

それならば・・・“レーシックを受けられる方でご希望の方には無料でクロスリンキングを併施します。紫外線に抵抗のある方は受けなくて結構です。”と表示するほうが良心的な感じがします。

多焦点眼内レンズ

通常の白内障手術といえば・・・一般保険診療です。

ですので、その時に使用する眼内レンズは単焦点眼内レンズです。

単焦点眼内レンズだとレンズの設定度数にもよりますが、基本的には術後に近くを見るときには老眼鏡が必要になります。

 

自費診療の白内障手術は・・・多焦点眼内レンズです。

こちらの多焦点眼内レンズには遠近両用の効果があります。

遠近ともに眼鏡は不要ですので・・・基本的には老眼鏡が不要です。

(少し暗い場所での読書では老眼鏡を使った方が良いみたいです)。

最近こちらのレンズの手術のお問い合わせが増えています。

自費診療ですので費用は約50万円程度かかりますが、意外と多くの患者様に興味を持っていただいているようです。

こちらの多焦点眼内レンズ・・・まれにレンズ度数の誤差によって近くを見るときの距離感に誤差が生じることがあります。そのため術後にレーシックで度数調整が必要になる場合があります。

通常の白内障手術で単焦点眼内レンズを用いた場合でも・・・まれにレンズ度数の誤差が生じることがあります。こちらもレーシックで度数調整は可能です。

レーシックは近視、遠視や乱視の矯正を目的としていますが、白内障術後のレンズ度数の誤差の矯正にも対応できます。

角膜形状の異常

レーシックの適応検査では角膜の形状を調べています。

レーシックでは角膜の厚さが大切ですが、角膜の形状も同じように大切です。

適応検査では数種類の角膜の形状を調べる検査を行って、異常の有無や異常の再現性を調べます。

これは正常な上下の対称性の良い角膜形状です。

これは上下の非対称の強い角膜形状です。

円錐角膜の場合にはこのような非対称の強い角膜形状が見られます。

レーシック不適応の条項はいろいろあります。

そのひとつが角膜形状異常(円錐角膜)です。

角膜形状が軽度の非対称性の場合にはラゼックで対応していますが、明らかな円錐角膜形状の場合はラゼックも不可です。

その場合にはフェイキックIOLや角膜内リングでの矯正をおすすめしています。

 

日本眼科学会

東京国際フォーラムで4月5日~4月8日に行われた日本眼科学会に出席してきました。

眼科学会ですのでレーシック等の屈折矯正以外の眼科分野のお話がたくさんあり、いろいろ勉強になりました。

学会に行けば。。。機械展示を見て回ります。展示されているものは国内承認機器に限られますが、実際に手術機械、手術器具に触れることができます。

メーカーの方とお話をしてみると。。。医療機器や薬剤が厚生省から認可されるスピードは以前に比べると少しずつ早くなってきているようです。

厚生省に認可されていなくても自費診療で使用することは可能ですから、レーシックの機器でも性能が良ければ未承認機器を導入するクリニックはたくさんあります。導入するクリニックが多ければメーカーは厚生省に承認申請をしてくれます。承認を受けるにはデータ提出等の面倒なことや必要経費がいろいろありますから、ある程度の販売利益を見込めないと承認申請なんてしてくれません。

10年くらい前と比べると・・・眼科に限らず医療の進歩は素晴らしいです。良い医療と分かっていても国の財政の制約で国内に導入されない機器や薬剤はたくさんあります。これからの将来に医療財政が良くなっていくことは考えにくいので、きっと自費診療で行われる医療はもっと増えていくのだろうと思います。

そんな時代の学会や機械展示はもっと楽しくて勉強できる内容になっていると思います。

 

過矯正と低矯正の境界

適応検査で “術後に過矯正にはしないでくださいね!”って言われることがあります。

もちろん意図的にはそんなことしません。

適性な矯正度数を目指して手術しているものの、意図せずとも一定割合で低矯正や過矯正が発生してしまうもの。。。それが屈折矯正手術だと思います。

ほとんどの症例は1回の手術で十分な満足が得られるので、“短時間で視力回復できるレーシックは良い”と言っていただけるのだと思います。

しかしある程度の症例数の手術を行えば、再手術による微調整を必要とする症例に出会います。快適に感じる術後の屈折度数は個人差があるとは思いますが、一定割合で低矯正も過矯正も発生してしまいますので、再手術で微調整を行っています。

再手術が全く行われないクリニックがあったとすれば・・・それは症例数が異常に少ないとか、かなり症例を限定して行う等のなんらかの理由があるのだと思います。

 

以前。。。その昔、あるクリニックの過矯正が問題になったことがありました。週刊誌に掲載されるほどでした。そこは年間に数万症例の手術を行うクリニックで経過の良い症例が大多数でした。

しかし一定割合で低矯正も過矯正も発生していますので・・・もともとの症例数が多いと・・・一定割合でそれなりの数の低矯正と過矯正が発生しています。その時はなぜか過矯正だけが強調されて週刊誌に掲載されたと。。。掲載内容は好意的な文章ではなかっと思います。

 

屈折矯正手術の安全度は高くなりましたが。。。残念ながら100%初回手術で完全な満足度を得られる手術にはなっていません。

数%ですが追加矯正(再手術)での微調整が必要になる場合があります。

そのため追加矯正を必ず行うことが出来る方を初回手術の適応としています。

フェイキックIOL

近視度数の強い症例が増えてくると・・・人工レンズの導入も検討したくなります。

フェイキックIOLという術式です。

角膜は削らずに度数矯正が出来るので、高度近視・乱視でレーシックやラゼックだと残存する角膜厚が不足する症例に適した良い術式です。

しかし・・・手術費用はレーシック・ラゼックと比較すると高額です。

導入コストと手術コストを考えると。。。仮にかわもと眼科でこの術式を導入した場合には・・・50~60万円くらいの価格設定になりそうです。

かわもと眼科で行っている遠近両用の多焦点眼内レンズがそれくらいの価格設定ですので・・・きっと同じくらいのコストがかかると思います。

“都市部でフェイキックIOLの手術を受けて術後検診をかわもと眼科で”・・・という場合でも対応致します。

お気軽にお問い合わせください。