QSV 20120125

2012年1月25日 水曜日 by かわもと眼科院長

連日寒いですね〜。今朝も防府はぱらぱら雪が舞ってます。

 

ネットのニュースにも掲載されていたので,ご存知の方も多いかと思いますが,動物実験の後に,Stargardt病と加齢黄斑変性症の患者にES細胞から分化させた網膜色素上皮細胞を網膜下に移植して,変性した網膜色素上皮の再生に成功し,視力的にも一定の成果があったという論文です。The Lancetという一流ジャーナルに掲載された内容ですので,すばらしい仕事ですが,課題はまだまだ残されていて,組織寛容性の問題やガン化の問題など,超えなければならない壁はいくつも有りますが,今現在治療方法が無い疾患に対して,新しい治療方法がでてきたというのは,眼科医として喜びです。追加の論文を期待しています。

ただこの治療方法に関しては日本でも研究が行われていて,基礎研究を始め多くの知見を日本の研究者は持っているのですが,この治療方法が日本で最初に行われなかったのは,本当に残念です。なぜ日本人が世界最初の報告を出来なかったのか?それはこの国が抱えている大きな問題の一つに起因することは,常識ある皆さんにはすでにおわかりですよね。日本のベクトルは下降方向を向いたままです。iPS細胞で同じ轍を踏まないことを祈るばかりです。

 

QSV: Quest for Super Vision(究極の見え方の追求)

ドラのんた:毎週金曜日午後6時半からFMわっしょい(76.7MHz)で放送中