20110713

2011年7月13日 水曜日 by かわもと眼科院長

今日も天気は不安定なようですね。

 

さて,本日の一冊は「スティーブ・ジョブズ驚異のイノベーション」(カーマイン・ガロ著)です。今や伝説中の人物となったスティーブ・ジョブズのイノベーションの秘密を解き明かそうとした意欲作です。本書はジョブズ流のイノベーションを起こすために必要な,7つの法則を打ち立てています。いずれもかつてジョブズがスタンフォード大学の卒業式のスピーチで語ったことがベースになっています。スタンフォードでのスピーチは感動的でしたが,当時の映像を見ると,そこに居合わせたスタンフォードの卒業生の何人が,「自分は今,歴史的な場に居合わせている」という感覚を持ってジョブズのスピーチを聴いたのか?不明ですが,後にYouTubeで流れてからは世界中の人が彼のスピーチに感動させられました。(おそらくスタンフォードの学生の大半は,おちゃらけた雰囲気の中で,貴重な感動体験の場を失ってしまったでしょう)本書ではジョブズがいなければ今の世界は今とは全く違っていたという視点がちりばめられています。

そのジョブズの出発点がタイポグラフィだったということは,我々日本人を落胆させます。西欧のタイポグラフィに比べて遥かに意匠(デザイン)レベルが高い「家紋」や「花押」をもっている国の人間がMac bookなどのsexyな製品を生み出せなかったことは,この国には新しい物を生み出すために必要な「何か」が決定的に欠けていることを示唆します。それが何なのかは分かる人には分かっていると思いますが,そこを分かっている人によって牽引される事業だけが,これから日本と世界のマーケットで生き残っていくのだと思います。

 

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