QSV 20120926

2012年9月26日 水曜日 by かわもと眼科院長

出勤時には冷たい風が吹いていましたが,今朝も良いお天気です。

 

山口新聞の今日の一面に,周南市の「近鉄松下」閉店の記事が掲載されました。記事によると近郊に次々に出店したショッピングモールとの競争が激化し,2012年2月の売上高はピーク時の半分以下に減少したとのこと。

関係者への取材では,近鉄松下は地域経済の中核的な存在であり,撤退は「寝耳に水」の出来事。極めて残念であるとする一方で,周南市長は緊急対策会議を開き,対策本部を立ち上げるとともに大阪近鉄本社を訪ね,店の存続を打診するとありました。

もしこの記事が事実なら,市長は「なんと間抜けな」ことでしょうか。近鉄松下が地域経済にとってなくてはならない存在ならば,市の幹部は経営状況にもっと気を配ってその動向に注意しておくべきだったでしょう。企業の経営判断が下った後でオロオロと対策を検討するなどは,何ともみっともない対応です。周南市の幹部らは市長にこのような間抜けな行動を取らせては駄目です。

近鉄松下に限らず,県内では企業撤退のニュースが増えていますが,いずれの企業も本当の意味で「寝耳に水」的に撤退することはないはずです。撤退に至るまでに,企業はさまざまなシグナルを発していたはずです。行政機関が変化する事象から発せられるシグナルを受け止められなかった(その能力がなかった?,そもそも受け止める気などなかった?)ことを棚に上げ,オロオロと事後処理に追われる姿は,戦前も今も全く同じです。本当にその企業が地域経済にとって必要不可欠なものなら,なぜもっと真剣に企業動向を見守っていなかったのか?企業が発するシグナルになぜもっと真剣に向き合わなかったのか?戦前から脈々と続く許認可業としての行政機関が,真のサーバント(奉仕者)に生まれ変わらなければ,企業の撤退は後を絶ちません。

 

QSV: Quest for Super Vision(究極の見え方の追求)

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