屈折矯正手術のガイドラインを再読する

日本眼科学会に所属する眼科専門医が屈折矯正手術を行うにあたって、日本眼科学会が作成したガイドラインに沿って手術を行うことが望ましいとされています。一番最初のガイドラインは平成5年に作られました。その頃は私はまだ学生でインターネットも普及していない時代です。屈折矯正手術を受けたいと思ってましたが国内では手術を行っている施設がどこにあるか解らなかったですし、術式もRKかPRKしかなかったと記憶しています。たぶん手術費用もかなり高額だったと思います。

屈折矯正手術のガイドラインには適応基準も記載されています。エキシマレーザー手術の基準なのでレーシックもPRK・ラゼック等の表面照射も同じ基準で考えるように、ということだと思います。実際には近視度数のディオプターよりも角膜切除量で適応基準を決める施設が多いと思います。使用するレーザーやレーザー照射径によって同じ近視度数でも角膜切除量は変わってきます。もともとの角膜厚、角膜切除量、残存する角膜厚によって手術適応の可否、適応術式が決まると思います。私の知っている施設ではどこもだいたい同じような基準で、過度な角膜切除量や過度な残存角膜厚に設定している施設はありません。適応禁忌の基準もどこの施設も同じだと思います。術後検診の期間も3~6ヶ月くらいまでを設定している施設が多いと思います。術後検診での検査内容と投薬内容もどこの施設でもだいたい同じだと思います。

この術後合併症の対処の解釈で困るのが “ 疼痛 ” と “ グレア・ハロー ”です。適切な対処とあるのですが、この2つだけは手術を受けた方の主観ですので適切と考える対処法は医師や施設によって差がありそうです。それ以外は眼所見や検査所見を見落とさなければ対処方法があります。

 

これらはガイドラインですから手術を行う時に守るのが好ましいルール目安です。

その医師や施設の経験から内容を拡大解釈しても良いのかもしれません。

手術を受ける方の不利益があまりに大きいのであれば、いくら希望されても手術は行ってはいけませんが、経験的に安全マージンが確保できるのであれば、このガイドラインから多少逸脱していても十分なインフォームドコンセントのもとに手術を行っても良いのではないかと考えています。